産業技術大学院大学 履修証明プログラム「人間中心デザイン」
産技大で人間中心デザインを勉強してきました。
履修概要
期間:2018年10月6日~2019年3月9日
講義内容:
人間中心デザインの一連のプロセスを講義・実習形式で学びました。
1.UX デザイン方法論編 (計 102 時間)
1-1. 人間中心デザイン入門 (必修 6 時間)
1-2. UX デザイン論 (必修 21 時間)
1-3. ユーザビリティ評価 (必修 24 時間)
1-4. ユーザー調査・分析 (必修 27 時間)
1-5. UX デザイン演習 (必修 24 時間)
2.発展的知識編 (計 42 時間)
2-1. サービスデザイン論 (選択必修 6 時間)
2-2. ファシリテーション論 (選択必修 6 時間)
2-3. 人間中心イノベーション論 (選択必修 6 時間)
2-4. デザイン操作論 (選択必修 6 時間)
2-5. デザイン態度論 (選択必修 6 時間)
2-6. テクノロジー体験デザイン論 (選択必修 6 時間)
2-7. HCD 導入設計論 (必修 6 時間)
計144時間
受講のきっかけ
タクシーの導入事例に憧れて入社しました。8月にそのPJメンバーの方主催の「HCD/UXD講習会」に参加し、人間中心デザインを知りました。その先輩が本プログラム1期生と聞き、私もまずはそこで勉強してみよう!と思い立ちました。
スクールライフ
授業は金曜の6、7限(18:30~21:40)と、土曜の2~5限(10:40~18:00)。
金曜は普段より早めに退社させてもらい授業に出ました。
なかなかハードなスケジュールで不安でしたが始まってみると授業はとっても面白く、半年間楽しさしかありませんでした。
得られたもの
大収穫を得ました。
当初の目的だったHCD基礎知識はもちろん、34人の同期を得られたことは予想外の、何よりの収穫でした。
なぜならこの仲間は、半年間一緒に頑張った同士であり、社会人の大先輩でもあるからです。同じ立場で勉強しつつ、時には先輩として心強い言葉をもらえる同期、その存在によって今後もこのモチベーションを維持できると確信しています。
本プログラム受講にあたり協力いただきお世話になった皆さんに、いつか立派に活動報告できるよう頑張ります!
講義内容のまとめも随時更新していきます
ユーザー分析・モデリング
ユーザー分析・モデリング
川田学先生
2018/12/8
ユーザー分析・モデリング
ユーザー調査で得られたデータを分析し、情報を統合、ユーザーのモデル化をおこなう
- 調査したら新しい価値がポンと出てくるわけではないので、分析、統合、モデル化の流れを踏んで初めて示唆できる。
- モデル化することで「その人だったらどう考えるか」が想像できるようになる。
- 価値ある体験をデザインするためには共感だけでは足りず、明記されていない情報に関してもその人の価値観で判断できるようにする。
- 対象となる「人」と、その人のある状況下における今の「その人の行動」をもモデル化して理解する。
(つづく)
ペルソナ
KJ法による質的データ分析
ユーザビリティ評価
ユーザビリティ評価
古田一義先生
2018/11/3
ユーザビリティ基礎
ユーザビリティとは
特定の目的を達成するために、特定の利用者が、特定の利用状況で、有効性、効率性、そして満足とともにある製品を利用することができる度合いISO9241-11より
- 「有効性」 利用者が、指定された目標を達成するうえでの正確さと完全さ(効果)
- 「効率性」 利用者が、目標を達成する際に正確さと完全さに関連して費やした資源
- 「満足度」 不快さのないこと、および製品使用に対しての肯定的な態度
本講義での用語の定義
各手法の位置づけ
-
ユーザー不参加型
-インスペクション(ER, HEM, CW, ペルソナなど)
-モデリング系手法(KLM, GOMSなど)
- ユーザー参加型
-ユーザーテスト(UT)
-インタビュー
-アンケート
インスペクションの特徴
- メリット
-稼働する製品、プロトタイプが必ずしも必要でなく、開発初期に実施できる
-実施コストが安く、短期で実施可能
-未発表製品を扱うリスクが低い - デメリット
-実施者にスキルが必要
-設計者自身がおこなう場合、客観性が低い(“知識の呪い”)
-定量データが出しづらく、アウトプットの説得力が弱い
インスペクションの詳細分類
- 構造化レビュー(所定フォーマットがある)
-Heuristic Evaluation Method(HEM)
※ニールセン「ヒューリスティック評価法」
-Cognitive Walk-through - 非構造化レビュー
-Expert Review
決まった形式はなく、評価スキルを持つ専門家が経験と知識に基づいて実施 - ペルソナ、シナリオ・ベース
ユーザーテスト(UT)の特徴
- メリット
-インスペクションでは想定しきれないこともわかる
-アウトプットの説得力 - デメリット
-実施コスト(金額・時間)が高め
-ユーザーの発話、行動に解釈が必要
-ある程度動くプロトタイプが必要なため、実施可能時期が遅め
◎開発時期に応じて適切に使い分けよう!
認知・心理
使いやすいユーザーインターフェースを作ろうとするとき、ユーザがそれをどのように見聞きし、解釈し、判断し、記憶・学習するかを知っておくことが重要。
(つづく)
タスク設計
モデレーション