新米勉強ノート

いろいろ吸収して大きくなるぞ

残り2週間

病状の悪化により、残り2週間と言われた。

 

がんの進行

4月30日、二度目の抗がん剤治療投与予定日に高熱が出たため投与見送りとなった。数日間は37度台と38度台を行ったり来たりで、その後解熱剤により極度の寒気に襲われ、歯がガタガタ、ベッドが軋むほど体が震えたらしい。古文に出てくる「わななく」ってきっとこういうことだ。

熱が収まってきたあたりから、黄疸が出始めた。

成人の黄疸 - 04. 肝臓と胆嚢の病気 - MSDマニュアル家庭版

顔も体も頭皮も白目も全部、黄色い人になってしまった。のでガウディの黄色いおしゃれソックスをプレゼントして履かせてあげたらすごいカッコよかった。

5月2日、先生から病状と治療の説明があった。肝臓の腫瘍が前よりも大きくなり数も増えていて、肝臓の機能が著しく低下した危険な状態にある。そのため抗がん剤治療はもう難しい。病院ではもうなす術がないため少しでも痛みを和らげる「緩和ケア」に移行するとのこと。あとどれくらい生きられるんですかと聞いたら、2週間、長くて1か月、急変の可能性もあると言われた。継続入院もしくは転院または在宅の希望を聞かれ、父が在宅を希望していたため在宅療養しつつ自宅近くの病院を紹介してもらうことにした。在宅でというのはすなわち延命治療(急変した際の心臓マッサージや人工呼吸の措置)無しという判断になる。病院に入院している限りは、急変の際に否が応でも延命措置をし続けないといけなくなるので。

今は黄疸の治療のため流動食だが、退院後はもう好きなものを食べさせてあげてくださいと言われた。もう諦めモードって感じで腹立つな。そんなところ早く出て家に帰って良い食事食べたら絶対もっと生きられる。

けど今はもういつ急変してもおかしくない状況で、こうしている今も電話がかかってきて呼ばれるかもしれないと考えると、心臓がドキッとする。心の準備しなくちゃと思うけど、どうやったら整うかわからない。

やらなければいけないこと

やらなければいけないことに手を付けなくてはいけなくなってきた。保険、年金、相続、家の仕事引継ぎなど・・わからないことばっかりが山のようにあって気が遠くなるけど、一つ一つ片づけていかないといけない。生きていくのってこんなに大変なのか。

今まで家の諸々支払いや事務的なタスクは全部父任せで、自分がいかに整った環境にいたか、またそれがどれだけ幸せなことだったかようやくわかった。父を見ていたら愛おしさでいっぱいになって、もっと楽しい話して肩もみでもしてあげたいんだけど、色々確認事項の方が優先度高いから我慢した。やらなければいけないこととやりたいこと、両立難しいけど結局どっちもやらなきゃだめだ。

仕事のこと

部署の上司や人事の方に私の仕事は誰でもできるからと言われたのを真に受けて、別に辞めたっていいやと思っていたけど、そうじゃなかった。直属の上司が(私が抜けるのは)本当に惜しい、あんな良い子他にいないと言っているというのを先輩から聞いた。自分がチームに対して、何か私なりの価値を提供できているなんて思っていなかったから、惜しいと言ってもらえてることはすごく嬉しかったし、それを私に言わずに私が躊躇なく休職決心できるよう慮ってくださった優しさにやっと気付いた。戻って、もっとこのチームに貢献しなきゃだめだと思った。

最終出社の日、もう一人の先輩が「戻ってきたらすごい大変な仕事用意しておくから」と言ってくれ、こんな優しい言葉ないなと思った。仕事を用意して待っていてくれるなんて、そんな優しさない。

けど鬼の方の先輩には、戻ってくる頃別の人が入って上手く回っていた場合、ここに帰ってこれる保証はないと言われているので、甘えで仕事を用意してもらうのではなく、この3か月できちんと成長して、チームにとってもっと価値ある人間になって会社に戻ろう。もし席が無ければ、またゼロから何でも頑張ろう。

前までは社会人スキル身に着けようくらいにしか思っていなかった個人情報の仕事、今は猛烈に個人情報守りたいと思うくらいにモチベーション高まったので、まだ退職タイミングではなかったな。